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温泉津町福光・遥かなる故郷

僕の少年時代(昭和20年から30年代)の思い出

誘蛾灯(ゆうがとう)

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 田んぼのあぜ道に誘蛾灯があった。低い台の上に農薬を入れたタライがあり、その上で青白い不気味な光となって輝いている。寒々(さむざむ)とした青い色だった。
 タライの中には光に誘われて集まってきた害虫が死骸となって浮いている。
 そのころの家庭は、まだ白熱電灯がほとんどで蛍光灯は普及していなかったから村で最初の蛍光灯だ。
だから、村人は誘蛾灯のことを蛍光灯と言った。
 蛍光灯は、現在のものと違って放電が安定していなかったため、遠くからみると、きらきらと小刻みに瞬きしているように見えていた。
 
 家々の電灯が蛍光灯に替わるころ、田んぼの蛍光灯は消えていた。