温泉津町福光・遥かなる故郷

僕の少年時代(昭和20年から30年代)の思い出

晩秋

汽車

クヌギ

わが家の裏山は雑木林だったがクヌギの大木が多かった。 クヌギのことをマキの木と呼んでいた、といっても高野マキなどの槇ではなく、風呂焚きや台所で使う薪のことで、燃料として使うと火力が強くて、他の雑木より格段の良さがあった。 クヌギは木炭の材料…

中秋の名月

出た出た月が まあるいまあるい まんまるい 盆のような月が 童謡・月 祖母が月見だんごとサツマイモを縁側に置いて、母はススキを徳利型の白い花瓶に生けた、これがわが家の供え物だ。 わが家ではサツマイモを中秋の名月に合わせて初めて3個だけ収穫し、お…

ワラ(藁)ぶき屋根

「夏涼しくて冬暖かい」と言われているワラぶき屋根の家に生まれて高校卒業まで育ったが、このメリットに気づいたのは離郷した翌年に、瓦屋根の家に建て替えてからだった。 夏の休暇で帰省したとき、昼寝をしようと座敷に枕を出して横になった。 「暑い」 部…

七夕さま

ささのは さらさら のきばにゆれる おほしさま きらきら きんぎん すなご 童謡・七夕さま 幼少期、夜空の星はくっきりと見えていた。 現在、夜空を見上げても一つか二つしか見えない、天の川も北斗七星も、もう数十年見ていない。 7月のはじめに描き始めた…

ボベイとジージー(2)

先日(7月12日)投稿した「ボベイとジージー」について「いいね」を頂き、「ボベイは地元のスーパーに売っていましたよ、水槽に張り付いていました」との貴重なコメントを頂戴した。 「ほー」というのが僕の思いだった。ボベイという呼び名はわが家だけの…

森の水車

緑の森のかなたから 陽気な歌が聞こえましょう あれは水車のまわる音 「コトコトコットン ファミレドシドレミファ コトコトコットン コトコトコットン 仕事にはげみましょう コトコトコットン コトコトコットン いつの日か 楽しい春がやってくる」 童謡・森…

ボベイとジージー

サザエ(左がトゲのないもので僕らはトコナツと呼んでいた) 「明日海へ行ってボベイの炊き飯を作ろうか」 7月も終わりに近いころ、晩御飯を食べているとき、めずらしく母が言った。 「行こう」 誰も反対する者はいない。 ボベイとはカサガイの一種、マツバ…

植林

数年前に手に入れたわが家の山は元の持ち主が立木すべてを売り払って丸坊主になったままであったが、すでにシダや雑木が茂っている。 「このままではもったいない」 ということで植林することにした、僕が高三の夏休であった。 植林すると決めたのは母と長兄…

ホタル

ほう ほう ほたるこい あっちの水はにがいぞ こっちの水はあまいぞ ほう ほう ほたるこい 童謡・ほたるこい

鯉のぼり

いらかの波と 雲の波 かさなる波の なか空を たちばなかおる 朝風に 高く泳ぐや 鯉のぼり 文部省唱歌

福光城十無い淵伝説

3年前に投稿した「温泉津町福光・遥かなるふるさと」の大川の項で「とおない淵」伝説を記述していたところ、これについて読者の方から「姫路文学館で特別展示してある『怪談皿屋敷のナゾ』に出ていますよ」との貴重な御意見を頂いた。 さっそく姫路文学館に…

小魚のすり身

母の言いつけで隣町の魚屋へスリ身を買いに行った。 隣町へ行くには片道3キロほどしか距離はないが、自転車に乗ったままでは越すことのできない坂道を往復しなければならない。 嫌だが行かなければ僕の好きな鍋ものを食べることができない、しぶしぶ自転車…

仰げば尊し

あおげば尊し わが師の恩 教えの庭にも はや幾年 思えば いと疾し この年月 今こそ 分かれめ いざさらば 童謡・あおげば尊し

おなご先生

女性教師のことを僕らはおなご先生と呼んでいた。これは蔑称ではなく男性教師をおとこ先生と呼ぶながれでおなご先生と呼ぶだけのことであった。 若い先生は白のブラウスに地味な色のロングスカートを穿き白のズック靴スタイルが多かった。 1954年(昭和…

カバン

ランドセル 秋祭りで帰省していた3人の叔母さんが、来年4月、小学校へ入学する僕にランドセルを買ってくれることになった。 僕は叔母さんらに連れられて隣町の文房具店へ行った。 店のおばさんが出してきた2個のランドセルを前にして「どれがいいか」と叔…

遊び・パッチ

メンコ(面子)のことを僕らはパッチと呼んでいた、関西ではベッタンと呼んでいる。いずれも地面に叩きつける際の音からきている。 丸形と長方形のものがあり、僕らがよく使っていた丸形にもサイズが各種あって僕のは15センチほどもあった。 「パッチしよ…

裸足

昭和二十六年(一九五一)四月、新しいランドセルを背負いズック靴を履いて村の小学校へ入学した。 ズック靴は一年で破れ、後はゴム草履かワラ草履で通学した。高学年になると下駄での通学が多かったがいずれも素足である。 ズック靴のときも素足に履いてい…

ライスカレー

油で炒めた玉ねぎ、にんじん、ジャガイモを鍋でじっくり煮て、野菜それぞれの形が崩れてきたものにカレー粉を入れ、さらに水で溶いたカタクリ粉でトロミを付けて出来上がりだ。 これがわが家のライスカレーだった。 肉類は隣町まで峠を越えて買いに行かなけ…

ヤギミルク

中学生のころ、近所に来たお嫁さんの母乳が出ないため、ヤギの乳で赤ちゃんを育てているということを聞いた。 「ヤギの乳?飲めるんか」 ヤギを飼っている同級生のH君に聞いた。 「牛乳より栄養があるんだぜ、俺の家(うち)でも乳を飲むために飼っているん…

遊び・ビー玉

「ビー玉」のことを僕らは「ラムネ」と言った。元来、清涼飲料水ラムネの栓として作られたもののB級品で栓に使えないものだから「ラムネ」と言うのが正しいと思っていた。 ビー玉は祭りの日の出店で買った。 少年らはビー玉でよく遊んだ。 庭の土面に直径5…

真っ赤な秋

まっかだな まっかだな つたの葉っぱが真っ赤だな もみじの葉っぱもまっかだな 沈む夕日に照らされて まっかなほっぺたの 君と僕 まっかな秋にかこまれている 童謡:真っ赤な秋

雪平鍋

現在の雪平鍋は蓋の無い片手鍋を言うようであるが、僕の幼少期は蓋の付いた土鍋の一種であったように思う。 分厚い土鍋であったため、七輪の炭火でコトコトと長時間かけて煮たり煎じたりするものに適し、家族が病気になったとき薬草を煎じた。 風をひけばキ…

5勺の米

勺(しゃく)は尺貫法の体積の単位である。1合(ごう)=約180ミリリットル)の10分の1が1勺になる。だから1合の半分が5勺だ。ちなみに「わんかっぷ大関」は1合らしい。 まわりくどい説明をしてしまったが、僕が小中学校の修学旅行のとき1人1泊…

紅葉のころ

生まれたときから住んでいる僕にとって春には桜が咲き、秋に山が紅葉するのは当たり前のことであって花や紅葉を愛でるという気は起きなかった。 だが、年によっては土手に咲き誇った桜を、黄色に染まった山を見て「きれいだな」と思うことがあった。 そんな…

ヤキメシと茶わん蒸し

高校でバスケット部に入っている長兄が遠征試合から帰った数日後、 「松江で焼き飯を食べたらうまかった」と初めて食べたヤキメシなるものをわが家でも作ってみることにした。 「何が入っていたか」 「玉ネギ、ニンジンにハムはあったな」 長兄は具材を思い…

ラクダシャツ

冬になるとラクダ色の分厚い下着を着ていた。 僕らはラクダシャツと言っていたが、実態はラクダの毛から造ったシャツをラクダシャツと言い高価であったため、僕らの着ていたのは表面がラクダ色、裏は白色の綿シャツだった。それでも分厚く裏はネル(表面が起…

村祭り

村の鎮守の神様の 今日はめでたいお祭り日 ドンドンヒャララ ドンヒャララ 朝から聞こえる笛太鼓 (童謡・村祭り)

桐と松

盆の数日前、祖母が隣町から兄弟3人分の下駄を買ってきた。 盆踊りに履く歯の短い下駄である。さっそく履いてみようと玄関に持っていくと、 「だめだ、新しい物は夜におろすものではない」 迷信を信じる祖母に止められた。しかたない、明日の朝にするかと座…